ご存じの通り、荒船山で発見された遺体はやはり臼井義人先生ご本人だった様です…。 間違いないとは思いつつも、心のどこかで生きていてくれと願ってましたが、その願いも空しく死亡確定となってしまいました。 改めて、ご冥福をお祈りします。未練も多々御座いましょうが、どうか成仏なさって下さい。 事故現場は、“艫岩”と呼ばれる高さ200メートル程の四角く切り立った断崖絶壁で、臼井先生はその120メートル付近に横たわっていたそうです。死因は、高高度からの落下による全身強打と肺座滅だそうです。 現場に残っていた遺品の中には壊れたデジカメが遺されていて、メモリの最後には崖下を見下ろす様に写した写真があったそうです。崖下を写して、そのまま転落したんでしょうね…。 高い所から飛び降りた経験がある方ならお分かりでしょうが、落下中というのは思いのほか体感時間が長いものです。私は趣味柄、よく3メートル程の高さの防波堤から飛び降りたりしていますが、その落下時間と体感時間には大きな差があります。落下時間はものの1秒にも満たないでしょうが、感覚的にはその数倍以上にも感じられます。足を踏み出し落下し、重力の減衰を感じる、地面がどんどん近づいてくるのを目で確認し、着地時の痛みの度合いを予測し、落下の衝撃を覚悟して、脚に力を入れ、そのままドスンと墜ちる。傍から観れば瞬きをする程度の間ですが、このように落下している本人は周囲とは全く違う別の時間を体感しているのです。 では、今回の臼井先生のように120メートルもの距離を自由落下した場合、一体どうなるんでしょう。 とても想像できませんが、少なくとも気付いたら地面に叩きつけられていた、なんて短い時間ではないはずです。眼前に迫る岩肌に恐怖し、助かろうともがく時間はゆうに有ったことでしょう。 状況や死因から考えるに、安らかにお亡くなりになったとは到底思えませんが、苦しまずに楽に逝けたことを願っています。 臼井先生、本当にお疲れ様でした。
|