きまぐれ日記

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...... 2008年11月05日 の日記 ......
■ レッツゴー陰陽師   [ NO. 2008110501-1 ]

我が家のホコリ玉

 

 

 

これは、2008年11月4日に神崎が遭遇した実際の話である。

信じる信じない、精神病患者扱いするも良し。

ただ確かなことは、この時私は、非常に強い危機感と恐怖心を抱いていたということ。

それだけです…。

 

※↓人によっては怖いかも。注意してね↓※

 

 

 

 

++++++++++

 

3連休を貪り終えた、週明け最初の日。この日も特に日常となんら変わらず、したたかなダルさとメンドくささにまみれたスタートだった。

食事と身支度を済ませて家を出た。かなり寒い日で、初雪もこの日に降った。そんな中、満足な防寒着も無しに登校した。

後に騒動が起こるこの日、最初に違和感を感じたのは学校の廊下でのことだ。雪のちらつく外をガラス戸越しに眺めながら歩いていると、妙な違和感が私を襲った。別段、嫌なオーラを感じるとかナニカが見えたとかいうのではなく、ただ本当に違和感があったのだ。半年振りの降雪に頭が酔っているのだろうか…と、このときはあまり気に掛けずに教室に戻って授業を継続し、この日の日程を終えて下校した。

帰り道も、いつもと同じように東方を聴きながらフラフラと駅まで歩いて下校。吹き付ける雪に身を震わせながらも、レティさんが〜チルノが〜などと妄想に励み自分を元気付けながら歩いた。この時、レティとチルノで頭が一杯であまり気には掛けなかったのだが、やっぱりあの違和感は抜けていなかったと思う。

 

駅に着き、電車に乗って地元に帰着。地元では雪こそ降ってはいなかったが、暖かい電車から降りたばかりの身体には十分堪える気温の低さだった。

自宅までの10分をどう乗り切るかと思っていると、同じ電車に乗っていたであろう『秋村氏(仮名)』とばったりと遇い、自宅が同じ方向の我々は成り行きで一緒の方向へ帰ることになった。久々の再会だった事もあり、他愛も無い世間話を長々としながらブラブラと自宅に向かって歩いた。

地理的に秋村氏(仮名)のお宅のほうが私の自宅よりも駅に近い為、先に秋村氏の家に着いた。しかし私が話を切り上げないせいか、秋村宅に到着したにも関わらず、それから10分程に渡って寒い中での秋村氏とのおしゃべりが続いたのだ。

 

ここからが本題である。

秋村氏の自宅前には小さな公園がある。冬場になると、夏場生い茂っていたプラタナスの木も枝ばかりになり、遊具類も撤去ないしロープを幾重にも巻かれて、公園は非常に閑散とした場所になる。その公園が、小さな道をひとつ挟んで秋村宅の向かいにあるのだ。

 

秋村氏とおしゃべりを楽しんでいると、あの妙な雰囲気をまた感じた。それも、また一層と強く。その妙な感じがするのは、誰もいないハズのその公園からだった。

私はいよいよ気になり、くるりと振り向いて公園のほうを確認した。

すると、ナニカが私の視界に入った。

…『人』だ。『人』には違いあるまい。それが生きているモノか、そうでないモノかの違いはあったとしてもだ。

ほんの一瞬だったが、確かに人の影を見た。しかし、ほんの一瞬だ。もしかしたら見間違いかもしれない。もっとよく確認できればよかったのだ。だが、仕方が無い。

何故なら、一瞬でソレは消えてしまったのだから。

ソレはスーッと地面の上をゆっくりと移動していた。ぼんやりとした黒い人の形、黒煙の塊のようなソレは確かにそこに居た。しかし、私がソレを見た瞬間、こちらに気づいたかのように動きを止め、その刹那フッ…と跡形も無く消えてしまったのだ。

一瞬で、私の答えも纏まった。

幽霊だ。

 

(…ああ、遂に遭ってしまったか)

遂に、実体を見てしまった。元々、霊感はそこまで強いとはいえないものの、嫌な空気や雰囲気を過敏に察知する程度の事はできた。だから、そういう悪い雰囲気を察知するとそそくさとその場所から逃げ出して見えるはずのないモノを見ないようにしてきた。しかし、今回ばかりは上手くいかなかった。

 

これが起きたのはものの数秒だ。私が振り返り元に戻る間に事は終わっていた。

多分、秋村氏は気づいていなかっただろう。

 

それから少し話を続け、この日は解散となった。

私は秋村氏に、『寒い、風呂に入りたい』などと言って、挨拶もそこそこに駆け足で自宅へ向かった。確かに寒かったし風呂にも入りたかった。だが、なによりもこの場を離れたかったのだ。

ここから私の自宅までは150Mあるかないかの距離、大した距離ではない。走ればほんの30秒程度だろう。だが、私にはこの30秒が酷く恐ろしかった。住宅地であるが街灯の少ない暗い道、先ほどの情景が頭を過ぎり内心パニックになりながら自宅へ全力疾走した。

 

家に帰ると、愛犬が飛びついてきた。可愛い奴め、ホコリ玉の様な身体でもふもふしてくるわが愛犬の姿にさっきまでの気持ちがウソのように晴れ渡った。

それよりも、明るいリビングというものがこのときの私にはとても有難かった。光があるだけで、それだけで安心できた。

夕食を済ませた後は、いつも通り自室に行く。私の自室は、私にとっての城であり要塞だ。入ってしまえば何者も私を脅かせない。そんなどこか自信過剰な思いがあり、公園で見たアレの事など忘れて、安全な自室でフリータイムを満喫していた。

 

それが、思いもよらぬ事態が起きる事となる。

 

PCの電源を入れて、お気に入りサイト巡りをしていた時。

時計が23時を指そうとしている頃だ。画面を見つめる私の視界に、横から影が割り入って、一瞬で消えたのだ。

疲れ目でチカチカしてるのかな?…しかしそう思ったのもほんの数秒。すぐに、数時間前のあの情景を思い出す。

影。影。影。見覚えのある影。黒い煙のようなアレ。

ゾワッと背筋が凍った。さっきと同じ嫌な感じ。部屋にナニカ居る。

 

公園に居たアレが、部屋まで付いて来てしまったのだ。

幽霊を招き入れてしまったのだ。

幽霊というものは、普通人には見えないだけあって見える人間に惹かれて付いてくる事があるそうだ。まさに、それが起こってしまった。

 

入ってきた影は、私の周りを現れたり消えたりを繰り返して漂っていた。私の見えない背後ではいったいどうしていたのだろうか?そう疑問に思っても、振り向いて確かめる程に私の肝は大きくなかった。

そんな私の様子を意にも介さず、相変わらずソレは視界にチラチラと入ってきた。

表情がわかる訳でも声が聞こえる訳でもないが、どうも私の様子を伺いながら自分の存在に気づかせようとしているらしかった。 影は、しきりに私の視界に入ろうとする。スッと横から視界に入ってきて消えるだけではなく、PCモニターの横にぼんやりと現れて消えたり、私の顔を覗き込むようにしたりもしてきた。

椅子に座った私の座高と変わり無いほどの身長にも見えるその影は、大きさとなんとなく感じた雰囲気からして女の子かもしれないと思う。合っている保証は何処にも無いが、そんな気がしたのだ。

普段の私なら、『女の子大歓迎』と言ってもおかしくないが、この時の私にはそんな余裕は無かった。

 

そんな顔出し攻撃も、0時をまわる頃には収まっていた。気配も無くなり、もうアレは何処かに行ってしまったかに思えた。

ここで私は、安心してそのまま夜更かしを継続してしまった。その結果、この先の時間に待ち受けるとある時間帯に接触することになってしまったのだ。それが『丑三つ時』というやつである。

1日で、最も幽霊が出やすいと呼ばれるこの時間。現に私自身この時間は恐ろしい。外などとても歩けたものではない。そこらじゅうから嫌な予感がひしひしと感じられるのだ。そんな時間を迎えてしまったのだ。

普段もこの時間は悠々と普通に起きている。今まで丑三つ時に部屋に居て嫌な雰囲気を感じ取ったのは片手で数えるぐらいだ。

しかし、今日はいつもと状況が違う。多少安心してみたところで、さっきまで幽霊が横に居たのだ。心が波立ち、精神状態が非常に不安定なのは言うまでもない。そんな乱れに乱れた心で丑三つ時なぞ過ごせば、恐怖心に反応して良からぬモノが沢山寄って来るに決まっている。

 

実際、この時来てしまったのだ。

ビリビリとした殺気のような物凄く嫌な感じが、その到来を背後で主張していた。

 

もしかしたら、さっきの連れ込んでしまったアレかもしれない。でも、雰囲気も何もかも違うように感じられた。十中八九、私の恐怖心が招き入れたタチの悪い悪霊みたいなナニかだろう。

背後からの恐ろしく激しい感覚に、私は身動きができなくなった。さっきの影なんか比較にならない程、怖くて怖くてたまらなかった。そっとヘッドフォンを引っ張り出して、聴いていた音楽のボリュームを上げた。外からの音はこれで聞こえないはずだ。

なのに、ギシッ…ギシッ…ギシッ…。何処かから異音が聞こえる。聞こえないはずなのに。

なのに、コツ…コツ…コツ…。何故か床を鳴らす足音が聞こえる。聞こえないはずなのに。

壁が床が、異音にあわせて振動し始める。コン…コン…コン…。床に下ろした足の裏から、確かに衝撃が伝わってくる。私はとっさに足を椅子に上げ、振動から身を離した。

ところが、安心したのもつかの間、今度は私の座る椅子そのものが、コツ…コツ…コツ…、コン…コン…コン…。椅子に座るその尻から、衝撃がさらに強く伝わった。

それが急に止んだかと思うと、急に冷たい風がふぅっ…と流れた。ばかな、窓は一切締め切ってある。それどころが部屋の温度計は28℃を指している、冷たい風だなんてありえない。

ヤバい。これは流石にヤバい。泣いてしまおうかと思うぐらいに、本当に怖かった。

そして最後に、ヒタリ…と、冷たいナニカが私の右脚に触れた。

声どころが息も止まった。金縛りにあったように動けなくなり目も閉じられない。触れるナニカを払いのける事も出来ない。

硬直する私に触れるナニカは、一度だけグッと力を入れて軽く私の脚を押し、そのままスッと消えていった。同時に、部屋を包んでいた酷い雰囲気もフッと霧散し、元の私の部屋に戻った。

どうやら、何処かに行ってくれたようだ。

現象が収まった後も、私はしばらくの間動く事が出来なかった。動いてしまうと何かが起きそうで、怖かった。どうしようもなく怖かった。

 

次の日も、特に嫌な感じはしなかった。一応、効くかわからないが気休めに、ドーマンとセーマンを書いた紙を自室の戸に貼り付けた。

これが防止になればいい。もう、二度とあんな目には遭いたくない。

 

 

++++++++++

 

というわけでした。

書いた自分に、読まれたあなた様に、長文お疲れ様でした。

 

さっき、妹にこの話をしたら、久しぶりに泣かれました。そりゃ怖いよな。オマエの隣の部屋で起こった事だもん。

 

 

今回のこのお話を、真実ととるか、私の虚言ととるか、私の病的妄想ととるかはご自由に。ただし、私は書いたような内容で酷く怖い思いをした。それだけは最初に言ったように変わりはありません。

皆さんは…どうですか?


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